不毛な土地、ヨーロッパ

投稿者: morita 投稿日時: 日, 2006-11-05 19:43

以前、大学で経済史という授業を受講していました。その授業の中で、強烈に印象的だったのが、産業革命を中心に見たヨーロッパでした。

産業革命以前、ヨーロッパからアジアへと旅したキリスト教の宣教師たちは、その肥沃な土地を見て「神はなんて不平等な環境をお与えになったのだろう」と嘆いたそうです。アジアでは種を適当に植えておくだけで、たくさん実の生る肥沃な土地を持っていました。それに比べてヨーロッパは、乾燥した栄養のない土地ばかりで、作物を生産するのが非常に困難だったようです。

しかし、アジアに住む人々が、その恵まれた土地でゆっくりと生活する中、ヨーロッパの人々は様々な工夫と努力を重ね、技術革新を何度も起こし、ついに産業革命までたどり着きました。今までは生きるだけで精一杯の生産量しか生み出せなかったのが、一気に余剰の生産を生み出せるようになり、そこから今日にまで続く経済のシステム(市場、価値、交換、効用などの概念)が生まれていったようです。

私が特に興味深いと感じたのは、産業革命前、ヨーロッパでは各個人の農地を、それぞれ右下図のように分散して持っていたというところです。

分散を行うことで、農地を耕す効率は確実に低下します。何故このようなことをやっていたのかというと、それはリスク管理のためだったと考えられています。
当時の人々は、分散して農地を持った場合と、一箇所に農地を持った場合とを統計的に比較し、天候や災害などの観点から、多くの場合、分散して農地を持った場合のほうが総合的に高い生産量を得ることができることを知っていたようなのです。このような考え方は、前述のアジアのような、肥沃な土地を持つ人々が思いつかないようなものでした。

私が面白いと思うのは、逆境に立つことで人々は深く試行錯誤し、その状況を乗り越えるということと、ヨーロッパには現在でも根強いリスクヘッジの考え方が残っているということです。

私も彼らを見習い、逆境を打破できるよう努力し、同時にリスクを回避するよう試行錯誤していきたいです。